こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

真矢みきさんと西島千博さんの結婚から思い出すこと。

真矢みき結婚へ!きっかけはW主演舞台
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080701-00000045-spn-ent

いやー、めでたいです。ミキちゃんおめでとう。
しかもお相手がバレエダンサーの西島さんとは!素晴らしいw

そう言えば、若かりし頃、西島千博さん主演のダンスアクトシリーズ第一弾「ジャン・コクトー」という舞台を見に行ったことがあった。西島さんはそれはそれは美しくて、その美をたっぷりと堪能させてもらってけれども、一方でこの舞台、ジャン・コクトーを名前しか知らなかった私には、何がなんだか分からなかった記憶がある。

この手の娯楽というより芸術の方に触れている舞台に出会うと、ああこれ毎日見てみたいなあという欲望に駆られる。何故なら見ているうちにそこには「分かる」と言うか、自分の何かに「触れる」瞬間があるからだ。

私がロンドンで参加させてもらってた劇団の作品も、主にチェーホフだとか、ゴーゴリサルトルに三島と割とアートに触れているものを扱うことが多かったので、まあ、英語だし、稽古の頃は何が何だかさっぱり分からないけれども、本番始まって、芝居に付き合っていくうちに、ああ、そういうことなのか、と急に開ける気分になることがあった。そういう「開けた」作品というのは、自分の心に結構ずっと住み続けていく。

そういう劇団の作品の中でも、特に私の中にずっと住んでいるのがサルトルの「NO EXIT」だ。

筋は割りと単純だ。
登場人物が三人いて、彼らは死んで、地獄に送られる。
蒸し暑く3脚の椅子のみがある部屋に三人で暮らしていく、ということが彼らの「地獄」なのである。彼らがどういう人生を送り、どういう罪を犯し、どういう傷を受けてきたのかを語り、彼ら三人の関係が縺れ、「地獄」の意味を知る、という舞台である。

この芝居、最初脚本を読んで、稽古を見たときには、さっぱり何が面白いのか理解出来なかった。私がスタッフを担当していた芝居の中でも、これが一番良く分からなかった作品だった。
なのに、初日が開いて、翌日ダブル・キャストのもう1人の方も見て、ようやく、この作品の面白さと魅力に急に目覚め、それ以来、この「地獄」の設定と、登場人物の1人は私の心の中に住み続けている。

だから、あの「ジャン・コクトー」も今再び、何度か見れば、私が当時一度では受け取れなかった魅力や面白さが分かるのではないかな、と西島さんの名前を見て、ふと思ったりした。