こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

リトルショップ・オブ・ホラーズ

5/23(日)13:00~ 本多劇場
シーモア DAIGO
オードリー 安倍なつみ
オリン 新納慎也
ムシュニク 尾藤イサオ
ガールズ 池田有希子・歌山ゆき・麻生かほ里
オードリーⅡ(声) 深沢敦
訳詞・演出:松村 武

2005年に青山劇場で上演された山本耕司主演版を見ているのだけど、青山劇場という大劇場と、今回の本多劇場という中劇場という劇場サイズの違いがあって、どちらが良かったかというと、個人的な好みとしては青山劇場版かなと思う。
この作品は、素晴らしいB級ミュージカルだ。
楽しい楽曲に彩られたシニカルなコメディだ。
そういうものを娯楽として見せるとき、私は実力あるキャストと、簡素でもセンスあふれるセットと、何よりカラフルで可愛い衣装が必要だと思っている。
とにかく、女性の衣装が残念でしょうがなかった。
予算があるのは分かる。けれども、それが顕著に客席側に見えてしまうのはどうかと思うのだ。特にオードリーの最初の衣装がイマイチでおばさんぽくて、確かに鬘の作り方やメイクなど本人に改善点もあったにしろ、頑張っていた安倍なつみに可哀そうだった。B級ミュージカルのヒロインは、頭からっぽでもなんでも、とにかく「人形のように可愛い」ことが必要だと思っているので、その点において、ああ、私も可愛かったらあんな洋服を着て、あんなカラフルでかわいいハイヒールを履いてみたい、と思わせた青山劇場版に、そして、とにかく頭からっぽで人形のように、夢のようにキレイだった上原多香子に軍配をあげたいな、と思う。歌は安倍なつみの方がうまかったし情感も伝わってきたのだけど、この作品のオードリーという役柄への見せ方としては、青山劇場版の方が個人的には好きだった。安倍なつみのオードリーは、薄幸感があって、DVを受けている悲惨さが見え過ぎてしまったというか、そこをブラック・ユーモアまでに消化出来なかったのだ。これは本人の演技というよりも、演出の問題だと思う。ヴィジュアル面の作り方も含め、全体に演出が合わなかったかな、という気がする。

それでも、充分な実力と歌唱力を持った池田有希子・歌山ゆき・麻生かほ里らに歌われるポップな名曲の数々は耳に心地よく、楽しく、やっぱりこの作品の音楽が好きだな、と思う。
DAIGOも「気弱なダメ男」を好演。後半はミュージカルらしい曲とシリアスな演技が続くので、さすがに物足りなさを感じたけれど、前半は、ロックな曲の歌いこなしがさすが。声量は足りないけれど、キレイな歌声に聞き惚れたし、何よりシーモアが可愛かった。
そして、新納慎也のオリンが存在感たっぷり。サディストの可愛らしさも見せて好演。