こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

ニューブレイン ガラコンサート

6/12(土)19:00~ シアタークリエ

石丸幹二 マルシア 畠中洋 パパイヤ鈴木 樹里咲穂 初風諄 赤坂泰彦
友石竜也 田村雄一 中村桃花

「ニューブレイン ガラコンサート」に赴く。
色々考えたのだけど、CDとかは敢えて聴き直さず、久しぶりにニューブレインの音楽に触れ合った。
そうすると、思った以上に、初めて見た時の感動がそのまま蘇ってきて、改めてすごい作品に出会えた自分の幸福を痛感する。
ニュー・ブレイン」の音楽と世界観は、セットを失っても、衣装を失っても、私の神経を直接弾くようで、何に心動かされているのかさっぱり分からないのに、涙が出て、震える。
そして、その後はしばらくその世界が私を取り巻いて、出ることが出来ない。
初めて見たとき、久々のそういう経験に驚いてしまったのだけど、一年以上ぶりに再び直接この作品とコンサートながら触れ合ってみて、また同じような自分の状態に驚いてしまった。
特にやはり、最初の全員でのハーモニーを聞かせてくれる「Heart & Music」は鳥肌もので、段々と重なっていく音が、一つになり、厚いハーモニーになっていくさまは本当に感動した。

それから、やはり、この作品の音楽の多種多様さが魅力的。
エストエンド産やウィーン産、フランス産にはない、ブロードウェイ産ならではの、ショー音楽としてのバラエティ。
ビッグバンド、ジャズ、メロディアスなザ・ミュージカル曲からタンゴ調まで、そう、私ブロードウィイミュージカルのこういう音楽が好きなの、というところが網羅されていて、その一曲一曲の完成度が高い。

ガラコンサート、というものを実は私は初めて見たので、これがガラコンとしてどうだったのかは全然分からないのだけど、元々の作品の雰囲気や物語の流れをきちんと踏まえてくれた、私にとってはとてもいいコンサートだった。
残念だったのは、ピアノがキーボードだったことくらい。
出演者のトークとかもあるのだけれど、ちゃんとある程度の台本があったようで、そのトークから、次のシーンへ移る感じもきちんと決められていて、トークとしてはどうだか分からないけれど(石丸さんが畠中さんが歌う「セイリング」が好きで、自分のCDに入れた話しのくだりの中、ちょっとセイリングを歌ってくれたのが一番楽しかったかなw)、ショーとしての流れがあるのが、個人的にはとても安心して楽しめたのだ。


そして、改めてやっぱり思った。
奇蹟の名曲「春の唄」の繰り出す、喜びのシャワーのような美しいハーモニーを聞きながら。

再演、してほしい。

何度見ても、この作品は、今のところ私の中で色あせない。
いつも何か正体の分からない、でもとても大切なものを、この作品から受け取る。
この作品にあるのは、存在が亡くなる恐怖と現実、そして、生きていく喜び、というとてもシンプルなもの。自分自身の生死ということもあるだろうけれど、それ以上にやはり、誰かの死というものは誰にでも体験のあるもので、だから、このシンプルなテーマが普遍性を持っている気がする。そして、それは、ただシリアスなだけじゃなくて、コミカルでもあって、それが生きるということだということを感じるのだ。

久々に腕がだるくなるまで、拍手した。
大人の事情があるから、難しいことは重々承知な上で、それでも、再演を心から願って。


ところで、1年前と今と私が変わったところと言えば、今私にヅカブームがやってきていること(笑)なもんで、パンツスーツをさらりと着こなす樹里さんが、一年前以上に格好良く見えて、堪能(笑)いやあ、樹里さん、もちろん歌もうまいけれど、立ち姿のなんてステキなこと!主人公の男性たちよりもヒールがある分、長身で格好良くて、初めてこの作品を見た時、この完璧なキャスト、完璧な作品に足りないものは敢えて言うなら「ときめき」だ、と思ったけれど、今回樹里さんが私の中で「ときめき」を担ってくれた分、120%この作品を堪能できた気がしたw