こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

20年の時を超えて@Dream Trail

1/23(日)24(月)18:30~@青山劇場

ゲスト:紫苑ゆう、湖月わたる

※ネタバレ含んでいます。大阪で初見される方はご注意ください。

この演目に赴いた理由は2つ。
私が出演される杜けあきさんの大ファンである。
そして、紫苑ゆうさんを久しぶりに舞台で拝見したい。

オリジナルショーではあるものの、そして、荻田先生のヴィジュアルセンスは光りまくってて、衣装とか特に本当に色合いもデザインもステキだったけれども、それでも、これは所詮OG版TMP音楽祭だったと思う。
だから、感想も楽しみ方も本当に観客一人一人で違っただろう。
なので、私は「89年から92年の杜けあきファン」としての視点を感想として記しておきたいと思う。
とにかく、この単純なショーの中にあるものが、どれだけ私を泣かしたか。
ただもう、荻田先生、ありがとう、と、それだけを言いたい。
そして、もう一つ、今回友人が見つけてくれた風花舞さんの事務所のチケット抽選でチケットを手配して頂いたので、教えてくれて、さらに初日のチケットを引き当ててくれた友人と、両日、良席を用意してくれた風花舞さんの事務所に最大級の感謝を。

ということで、初日は2階最前列、翌日は1階13列目下手で見てたんだけど、13列目とは言っても、前6列は演目によってはオケピになる部分、宝塚だと銀橋くらいのスペースだから、想像以上に近くて、初日に全体像を引きで見て、翌日この近さで見れるってなんて贅沢…!と感動。
今日からも毎日見に行け、と言われても、私全然毎日見るけど、最低限として2回、は私の中で必要だった。だから、こんなに貧乏だけど、2回目のチケットを手放さなくて本当に良かったと思う。


とりあえず、初日は1部で消耗しきりました。
まず、カリンチョ(杜けあき)さんの「ハロー宝塚」で涙。
これ数ある宝塚ソングの中でも、カリンチョさんが歌うものとして一番好きなのだ。
そして、シメ(紫苑ゆう)さんが、20年前の姿そのままで、ビロードに光り物が散りばめられた男役衣装で登場された時には我が目を疑う。
もう何が起こっているのか軽くパニック。
オペラグラスが過去を見せてるんじゃないかというほど。
もちろん、肌の張りの衰えとかはよーく見たらある。というかよーく見てそういうところを探さずにはいられないほど、時の流れが信じられなかったから。もう歌とか全然聞こえてなかったな、ということに二回目見て気づく。
既にここで涙腺決壊。
シメさんの、あの衝撃は、本当当時見てない人には分からないだろうなーと思う。視線の投げ方、ポーズの決め方、指の動き、全てが変わらない「紫苑ゆう」というタカラジェンヌで男役だったのだ。

その後も黒燕尾で現れたシメさんに再び衝撃。黒燕尾のシメさんの変わらなさがすごい。
いや寧ろ現役のときよりも、しっくりと身体になじんでいるような余裕のある大人の着こなしのステキさ。男役って積み重ねる芸なんだなあと改めて思う。

で、こんなけシメさんに当時に戻されて、心臓爆発されられた後だと、マリコ麻路さき)さんの衝撃のダルマ姿も、最早そっか、くらいの気持ちにw
マリコさんを真ん中に湖月わたるさんと彩海早矢さんが踊る感じが星組だねー、伝統だねー、と思ったから余計、演出の意図は分かるけれど、マリコさんも男役で踊って欲しかった、どちらかというと。

あと、一部の方では歌は、安奈淳さんとカリンチョさん、春野寿美礼さん三人で歌ったシャンソン「セ・ラムール」が非常にステキだった。
シャンソンだから、低音の響きが良く似合って、ハーモニーがもの凄くステキで。

2回目は風花舞さんがもうめっちゃめちゃ上品で可愛いよーとか思う余裕があったのだけど、初日はまるでなし。
シメさんの衝撃に打ちのめされて迎えた1部の終わりが、カリンチョさんが二番手の頃のショー「スカイ・ハイ・スカイ」の主題歌「私はカモメ」で、それでもうわーー、となっていたのだけれど、そのまま続けて聞き慣れた前奏がはじまって、カリンチョさんのショー「スイート・タイフーン」の主題歌になったときは、もう脳内で情報が処理しきれない感じ。
見ているのだけど、視界と過去の映像がオーバーラップして、もうただただ涙。しかも、カリンチョさんが真ん中で、後ろに三角形にみんなが控えてて、正面の下から当てあげるような照明が、まさしく「スイート・タイフーン」のオープニングの場面そのもので、鳥肌と涙。
サビの部分になると、もちろん、このショーのトップスター、最上級生鳳蘭さんに真ん中はゆずるんだけど、もうそうしてくれなかったら逆に私はそこで脳内回路がショートしていたと思う。
幕が下りて、嗚咽しましたよ。泣いた。肩震わせて泣いた。多分一人で見てたら間違いなくもっと泣いてた。コレ書いてる今も思い出して泣きそう。

というわけで、もうここで全ての心の体力を使い切ったので、初日の二部は疲れ果ててて、春野さんとかすごい上手いし、声も美しいのだけど、私の方に思い出がなく、さらにあまりの美声でゆったりした曲をながーくお歌いになられるもんだから、思わず眠気がw ほらいい音楽や音質ほど眠気を誘うって言うしね^^;

しかし、本当に曲目は誰が選んだんだろうと思う。
スカイ・ハイ・スカイ」にしても「スイート・タイフーン」にしても、後々素晴らしかったね、あれは、と言われることもない普通のショー。
しかも、完全OG版TMP音楽祭だった二部と違って、一部は結構オリジナルショーらしくしようと奮闘している感じだったから、その中に、しかも最後にこの二曲を入れてきたのはなぜだろう、と思う。

で、理由を考えたら、もうこれは、荻田先生の、最後の一年間日本物一本立てが2本という、ショーと洋物に渇望させられた杜ファンへのご褒美だったんじゃないか、と思った。いや、本当に。
だって、杜ファン以外はハテナマークの飛びまくる2曲だもの。
大詰めでなんで、一番歌の上手い春野さんや、最上級生鳳さんが歌わないの?くらい思うと思う。
2部にしたって、ジャズメドレーの中で歌われた曲が「ブライト・ディライト・タイム」で使っていた「Come Rain or Come Shine」だったり、「パラダイス・トロピカーナ」の主題歌だったり、いわゆるカリンチョさんの代表曲でない曲ばかりが選ばれていて、最近聞くこともなかったから、当時を思い出されてとてもとても感動だった。

だから、やっぱり、荻田先生に深く深く感謝したい。
本当にご褒美だった。