こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

国際派エンターテインメントの可能性@宝塚雪組「るろうに剣心」

とりあえず、東京公演の初日ってことで、今更、大劇場公演の感想を書いてみます。

2/7(土)15:00~ 宝塚大劇場
緋村 剣心 早霧 せいな
神谷 薫 咲妃 みゆ
加納 惣三郎 望海 風斗
相楽 左之助 鳳翔 大
高荷 恵 大湖 せしる
桂 小五郎 蓮城 まこと
武田 観柳 彩凪 翔
斎藤 一 彩風 咲奈
四乃森 蒼紫 月城 かなと

原作、読んでないのでよく分からないのですが、キャストこのくらい書いといたらいいですか?
私の 「るろうに剣心」体験は一度だけ。
映画の一作目をテレビ放映で見た!
以上が私の「るろうに剣心」に知識の全てです。
そんなわけで、映画版をテレビで見たとき、思ったこと一つ。

剣心、時間の経過から考えると若すぎない?
(後に剣心は童顔設定、ということを教えていただく)

後は菅野美穂ちゃんの恵が、なんか分からないけど魅力的なキャラだな、と思ったくらいでしょうか。

そんなわけで、雪組を見に行く前の私の「るろうに剣心」の把握具合はこの程度。

るろうに剣心が悪い人に剣道の道場を潰されかかってる、少年漫画の典型的ヒロインを助けて、
ついでに、悪い人に妖しい薬を作らされてる才媛美女も助けて、ハッピーエンド。


はい、ひどいです。
時代背景とか全然理解してません。
キャラも剣心、薫、恵、悪い人(観柳)くらいしか覚えてません。

でも、それでいいと思います。
そもそも私、ミュージカルというエンターテインメントに「ストーリー」もしくは「ドラマ」は体よくくっついてたらいいよ
くらいのひどい価値観の持ち主なので。
それよりも、どうやって「魅せて」くれるか、の方が私には大事。
その期待を演出家の小池修一郎先生は絶対に裏切りません!

何の意味があるのか、とも言われる、宝塚版オリジナルキャラ「加納惣三郎」ですが、
彼が出てきてくれたおかげで、ああ、「新選組」の頃からの話なんだー、と時代背景をラクに掴めました。
おかげで斎藤一もすぐ覚えられました。

まあ、空間、セットオタク気味なので、一番感動したところは
障子に映し出される映像
だったりするんですけど、これ、本当にすごいと思うんですよ。
映像が舞台に取り込まれてからもうずいぶんになりますが、
自然にかつ効果的に背景を映像にした作品ってそうそう見ないです。
私の中では、ロンドン版「ウーマン・イン・ホワイト」くらいです。
ロンドン版「ウーマン・イン・ホワイト」ほどの大掛かりさや目新しさや、これじゃなきゃこの迫力でないなー、
とは感じなかったけれど、障子に映像、って日本的で、かつ違和感の少なさを逆手にとってきたのが
グッジョブ、小池先生!さすがでございます。

しかも、一部の終わりはその障子+映像のセットから一転、
るろうに剣心」ファンで、初宝塚な観客の方へ、「ザッツ・タカラヅカ」なセット&衣装を見せるのも、
グッジョブ、アゲイン、小池先生!

さらに、登場人物が多いのがいいですねえ。
みんな役があって、セリフがあるから、イキイキしてる。
この登場人物の多さこそ、宝塚歌劇を大劇場で見る醍醐味だと、私は思うんですけどねえ。

というわけで、早霧せいなの剣心、間違いありません。
原作読んでないので、正解分かりませんが(苦笑)
剣を捨てた剣心の心の機微が伝わります。切ないです。可愛いです。殺陣もがんばってます。
なので、歌については許してやってください(←誰だ、お前)
そのかわり、望海風斗の的確な歌声を楽しんでください。
敵役としても遜色ありません。的確です。トップスターとはれる二番手、やっぱりいいですね。
咲妃みゆの薫、真面目で勝気で、親しみやすい可愛さ。間違いありません、多分。
敵役を望海風斗に移したので、本来の敵役、観柳の彩凪翔は割を食ってることになりますが、
ここを「道化役」にしたのも、私はさすが小池先生と思いましたよ。
いい見せ場ももらって、初宝塚の人にも印象残してるようです。
個人的には、せめて「蜘蛛の巣」がちゃんと聞きとれるには滑舌をがんばってもらいたいけど、いいです。
うけてるんで。笑えるシーンをちゃんとできることは大事です。
他もいろいろみんなそれぞれ、楽しそうに演じてます。
娘役さんはキレイな日本物のお装束からドレスまで魅せてくれて、目に楽しいです。
特に、紅べこ屋のおかっぱ頭の女のコが可愛かったです。
恵の大湖せしるはもうちょっと、複雑さと煩悶を妖しさで表現してほしかったな。キレイだったけど。

で、斎藤一の彩風咲奈なんですが、
えーと、長年宝塚を見ていると「男役として好みの容姿」というのがあってですね、
数年前から彩風咲奈が私の「男役として好みの容姿」をしていることに気づいたのです。
それが、ちょっと見てないうちに、技術まで伸びちゃって、えーとですね、すみません、叫びます。

ウギャーッ!格好いいーーーー!!!
黒衣装に包まれてのニヒルな感じが似合うようになるなんて(うれし涙)!
歌も素質あったけど、うまくなっている(うれし涙)!
客席から銀橋へ戻るときの動きとか、美しくてたまらんーーー!
てか、足、なっげーーー、頭、ちっちゃーい、スタイルいいーーーー!!!!!


はい、一回落ち着きます。すみませんでした。
そんなわけで、斎藤一で大興奮。こうなると、俄然、宝塚タノシー!となります。そんなもんです。

ところで、フランスやイタリア、スペインあたりって日本のアニメの「コスプレ」ってそれなりに流行ってるんですよね?
エッセイ漫画で「シェーンブルン宮殿」でコスプレパーティーしたりするとかって読んだことあるんですけど、
ほんとですか?
そうなると、海外を題材にしたアニメのコスプレってどうしても、本場の人たちに日本人は劣りますよね。
なら、この「るろうに剣心」は、日本人のが似合うコスプレなので、この作品、ヨーロッパ公演とかどうでしょうか?
チギ(早霧せいな)の剣心が立ってるだけでうけるかと思うのですが。

そんな妄想まで抱かせてくれる「るろうに剣心」、本当、楽しませていただきました。
雪組宝塚大劇場公演 浪漫活劇『るろうに剣心』 [Blu-ray]
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