こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

「王様と私」とUA事件と平たい顔族@おと文

本当、観劇できてなくて、関係ない文章ばかりすみません
4月末から5月頭にかけては、キューティー・ブロンド、宝塚雪組、きみはいい人チャーリー・ブラウン噺家宝塚と怒濤の観劇予定ですので、しばしお待ちくださいませ
あと、もちろん、映画の美女と野獣も行きますとも!

で、この「おと文」てなんなの?と思われているかもしれませんが、単なる雑記です。
宝塚ファンの方ならお馴染みの「歌劇」の人気コーナー(なのかな?)絵と文をもじりました。
タイトルもじっただけで中味は宝塚となんの関係もありません。重ね重ねごめんなさい。
でも、読んでやっても良いよ、という方がいらっしゃれば、よろしくお願いいたします。

ところで、ミュージカル好きのみなさんは、「王様と私」という演目について、どうお考えでしょうか。

(画像はこちらの記事より。今、なんとなく話題の渡辺謙さん版で)
私はこのブロガーさんと全く同じことを思いました。
http://ameblo.jp/scotland/entry-12122164488.html

実は映画も未見でロンドンで見たため、あのラストシーンのお辞儀のくだりを見て、ただならぬ衝撃を受けました。
これは、娯楽の皮を被った文化侵略じゃないか、くらい思いましたね。
あまりに衝撃すぎて、英語がちゃんと分からなかったせいじゃないかと思い、高嶋兄×一路真輝版を当時の梅田コマ劇場で見直したくらいです。
でも、間違っていなかった。
そして、あれを、日本人観客が実に楽しそうに見ている不思議。

いや、「王様と私」はめっちゃくちゃ音楽はいいのです。ロジャース&ハマースタインコンビの才能が悔しいくらいに素晴らしいのです。
特に私は"I Whistle a Happy Tune" なんて、勇気がほしいときについ口ずさんでしまいます。
そして、何と言っても、Getting to know youが素晴らしい!


なのに、歌詞に反して、歌うアンナは全然タイの文化を知っていこうとしないのです。無意識の上から目線。

だから、ユナイテッド航空の事件が起こったとき、私が最初に思ったことは、「白人至上主義が形になって噴出してきた」でした。
オーバーブッキングに関しては、多少旅行業界に関わりあるところで過ごしていた時期もあるので、あるもの、という認識。
でも無理矢理降ろされたのがアジア人だった、ということがショックだったのです。

これについては事件以後、アジア人を排除するユナイテッド航空の姿勢に賛成、これから利用したい、という米国民の声があるとか日本での某ホテルの騒動を思い出すような書き込みを見たり、いやいやアジア人を差別したんじゃなくて、航空券の価格差で安いチケットを買った人たちから降ろしただけだよという記事を見たりしました。
なので、感情的にどこに真実があるのかは分からりません。
ただ、被害にあわれた方には心からお見舞い申し上げます。

興味深いなと思ったのは、私が多分、一般よりも過剰に「アジア人が差別された」と思ってしまったこと。
王様と私の捉え方にしても、私の中にはアジア人だという意識があるのだと思います。

なぜかというと、エジンバラフェスティバルに参加していた1か月間の影響があります。
私が所属していた小劇場劇団は師匠がロシア人だったこともあって、その頃には実にいろんな国籍の人がいました。
イングランドウェールズ、スペイン、ノルウェー、ベルギー、コソボ、ロシア、そして、日本(私)。
まあ、毎日よく公演し、よく呑みました。
そんな日々が一週間過ぎたころ、私はふと気づいたのです。
彼らも、エジンバラの人々もみんな親切だったけれど、彼らと行動を共にするとき、つまり、レストランもパブもクラブも、全部周りはいわゆるcaucaisian(白色人種)。
彼らも国籍は違えど、人種的には私以外全員caucaisian。
かと言って、私が1人混ざっていようと特に差別されることはありませんでした。
ただ、なんとなーく自分で疎外感を感じちゃったのです。私だけ、平べったい顔だ、ということに。

そんな日々を2週間ほど過ごしたころ、1日だけ休演日がやってきました。そこで、1人でいつもは行かないエリアを歩いていたら、中華料理屋さんを見つけました。
そこで働いていたのは、恐らく中国系の女のコ。
彼女を見たとき、私はとっても嬉しくなったのです。
あなた、私と一緒で平べったい顔よね!仲間よね!
と話しかけたいくらいに。
ああ、私ってアジア人なんだ、と思った瞬間でした。私1人、平べったい顔で私はけっこう淋しかったのかもしれません。

また、とある日、ストリップを見ていたら(どうしてストリップを見ていたかはまた別の機会にでも。対した理由じゃないんですけどね)、そのストリッパーの中に1人だけ平べったい顔の女性がいました。
そして、彼女が私に、どこから来たの、とショーの最中に話しかけてくれたのです。
あれはお互いに、こんな地球の北の端の方で、平たい顔族に出会った喜びだったんじゃないかと思います。

目的もなく海外に行くのはどうか、という意見もあるし、最もだとも思うのですが、もし、行きたいという気持ちがあるなら、言葉なんて気にせずに行けばいいと、私は思っています。
日本を出るだけで、少しだけ違うものが見えることもあるからです。
そして、それは、たぶん、ちょっとだけ特別な体験になりうるかもしれません。
自分を平たい顔族だ、という認識が生まれるとか、なくてもいい些細なことかもしれませんが、私は、それを感じたことは、とても良かったなと思っています。

しかし、平たい顔族ていい言葉だな。
すっごく、中華料理屋さんで彼女を見たときの私の気持ちにマッチする言葉ですw

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