こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

まだ言葉が見つからない@デニス・テンによせて

ちょうど先月のことでした。
私にデニス・テンの存在を教えてくれた女のコがかわいい婚約の写真をあげていました。
彼女とはサルサ教室で出会ったのですが、もともとバレエからはじまり、シアターダンスもやっているというかなりなダンサーで、ミュージカルの好みもあって、フィギュアスケートの話をしていたときでした。

デニス・テンくんがすごく上手くて可愛いですよ」

さっそく注目したのがちょうど2009年-2010年シーズンのことでした。
この年は男子フィギュアがことのほか面白い年で、その中でテンくんはまだまだ若手な存在でした。

でもこのシーズンのSing Sing Singを見た私は、このような感想を当時書いていました。
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それから、カザフニスタンのデニス・テンくん。
彼がね、良かった!
いやいやまだまだ若手なのでね、全然洗練されてないんだけど、若いからこその魅力に満ちててステキ
まだまだ子供の体つきなので、体が軽くて、演技全体がとにかく軽やか、フレッシュ、そしてエネルギッシュ!
多分これから大人の体つきになる経過で、ジャンプの調整とか難しくなっていくんだろうけれど、このリズム感でこれから先も頑張ってもらいたいな。
「シング!シング!シング!」の音楽も大好きなので、個人的に好感高かった。

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それにこの時のエキシビション、サンサースの「白鳥」もすごく面白くて、ダンサーでかつエンターテイナーなフィギュアスケーターだ!と一気にファンになった記憶があります。

だからソチオリンピックの演技は、本当に尊かった。


音楽と空気に彼が一体となって、見たことのない山々や風が通り抜ける風景を見たような気分になる、素晴らしく気品のある演技でした。
あの感覚を私は忘れないでしょう。

そんな彼がこんなに衝撃的で悲劇的に亡くなるなんて、このことについてはまだ言葉になりません。
あまりのことに「ご冥福をお祈りします」とかそういう通り一遍の決まり文句すらまだ書けないのです。

私は単にテレビやインスタで彼を見ていただけのファンです。アイスショーさえ見に行ったことがありません。

(テンくん最新のインスタ投稿)

それでも彼がまだまだ何かをやろうとしていたのを感じていました。
志半ばでの突然の死。
誰よりも彼自身が悔しいのではないかと思うと、本当に悲しくてやり切れないです。

有名人の死は、私の日常から遠く離れたものではあるけれど、病気でもなく、老衰でもなく、こんなに断ち切られるような「死」を感じたのは初めてです。
だからこそ、まだ言葉が見つからない。

ただただ今は、私がどんなにテンくんの演技が、踊りが好きか、それだけを反芻しています。