12/10(土) 12:00~ @梅田芸術劇場
スタッフ
音楽 アラン・メンケン
歌詞 グレン・スレイター
脚本 シェリ・シュタインケルナー&ビル・シュタインケルナー
演出 山田和也
キャスト
デロリス・ヴァン・カルティエ:森 公美子
エディ:石井一孝
カーティス:大澄賢也
シスター・メアリー・ラザールス:春風ひとみ
シスター・メアリー・パトリック:谷口ゆうな
シスター・メアリー・ロバート:真彩希帆
TJ:泉見洋平
ジョーイ:KENTARO
パブロ:木内健人
オハラ神父:太川陽介
修道院長:鳳 蘭 ほか
映画原作 タッチストーン・ピクチャーズ映画「天使にラブ・ソングを…」(脚本:ジョセフ・ハワード)
1992年に公開されたこの映画ですが、みなさまはいつご覧になられたでしょうか。
実はわたしは、再放送の波をかいくぐり、数年前まで見たことがありませんでした。
そして初めて映画を見たときの感想は「なんて素晴らしいエンターテインメントなんだ!なぜこれを!わたしは!今まで見なかった・・・!」と心から思いました。
本当に心温まるシスターフッドのお話しなんですよね。
2もいいけれど、徹底してエンターテインメントな1が特に大好きです。
そしてこれが2009年、主演していたウーピー・ゴールドバーグをはじめとしたメンバーでミュージカルとしてプロデュースされ、2011年にはブロードウェイで公演、そして2014年に日本版が上演されました。
それから今回は4回目の再演となるわけですが、実は過去2回の再演も見たくてずっとチケットを取ろうと努力はしていたのですが、見たいモリクミさん回は常にソールドアウト!今回4回目にして念願かなって見ることができました。
映画は1時間40分と実に見やすく気軽に楽しめる長さなのですが、これをミュージカル化することによって、2時間30分程度に伸びています。
そうすると結果、起こったことはそれぞれのキャラクターの長尺なソロ歌唱がたくさん入る、ということでした。
いや、天下のアラン・メンケン先生ですから、曲はいいのです。
でもミュージカル版は残念ながら映画の軽快さはありません。
それでもです!
シスターたちとデロリスが「みんなで歌うこと」に目覚めていくシーンを、目の前で繰り広げられると、もうなんていうか、それだけで幸福感に包まれるのです。
久々にめちゃくちゃ盛り上がった気持ちのまま迎える幕間を体験しました。
そしてデロリス率いる聖歌隊が成功した後は、なぜか神父も聖歌隊の衣裳もどんどんド派手になっていくという、舞台版ならではのゴージャスさも楽しい♪
そして指揮が塩田先生だったので、法皇もノリノリでやってくれちゃう!
本当にカーテンコールまでしっかり演出されたエンターテインメントでめちゃくちゃ楽しい作品でした。
ブロードウェイで改定されているので、元の脚本を触ることはできないことは重々承知の上で、この作品、もっと整理してせめて2時間くらいのスピード感も持ったものに改編できたら、本当に一級の娯楽ショーとなりうるのにな、と思います。
モリクミさんのデロリスは、持ち前の明るさがパーンと出ていて、本当にデロリスそのもの、でした。モリクミさんだから笑える、みたいなシーンもあったので、朝夏まなとさんだとどうだったのか、気になります。
オリジナルキャストはパティーナ・ミラーなので、朝夏まなとさんはそちらのイメージに近いかもしれないですね。
今回、この再演まで見ることができなくてよかったな、と思えた一つが、真彩希帆ちゃんのシスター・メアリー・ロバートが見られたこと。
いや絶対日本版初演の宮澤エマちゃんだって上手かったし、可愛かったと思いますし、それも見たかった!
でもトップ娘役時代にはなかなかできなかった、本当に純粋でかわいい役がピッタリで
ミラーボールの光を「小さな天使!小さな天使!」って追っかけるシーンは、思わず「かわいい」とマスクの下で小さく声に出てしまいました。
もちろん歌は絶品。
他の男性キャストの皆さんもよかったですし、修道院長の鳳蘭さんが、最後のシーンで、さすがの元トップスターのあの衣裳の着こなしと袖裁きを魅せてくださって、大満足。
ただデロリスの黒人設定はいるかなと思ったのと、本当にもっとコンパクトにまとめられていたら、通いたくなる作品なのに、やっぱり改めてもったいないなと思いました。