こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師


ティム・バートンだし、人肉パイだしってことで、そこそこ気合を入れて見に行ったのだけど、スプラッタ&グロに所々正視出来なかった自分の根性のなさがちょっぴり悔しかった。
ミュージカルだし、娯楽性もなきゃってことで、グロと言っても、ちゃんと偽物らしく作られていたから、まだ、食べてたミートパイから人の指が出てきた、くらいのグロは辛うじて受け入れた。スプラッタ自体は問題ない。血がドバーッとかは別に平気だ。
でも、でも!
その血がドバーッと出る結果までの行程が…うう、辛かった。思わず自分の首を守ってしまいたくなるほど。やっぱり痛いのはイヤですよ。さらにミセス・ラベットの最後が残酷で…、ああいうの、具体的に想像できないのに、妙にギリギリまで想像しちゃって…ダメだった…。

とは言え、ストーリー自体はとっても王道のヴィクトリアン・スリラーで、予想外なことはなにもないというか、ヴィクトリアン・スリラーのモチーフをあますところなく美味しいトコどりしているので、その世界が好きな人には楽しい(映画のような大写しのヴィジュアルがあると、すぐにネタバレしちゃう部分があるのはちょっと残念だけど)。このモチーフが好きな人にはぜひ「白衣の女」とか「荊の城」とかも読んでもらうと楽しいと思うし、「オリバー!」のミュージカル映画もぜひ見てもらいたいところ。ガス灯時代のロンドンの町を歩いてみたい誘惑には思いっきり駆られた。

そして、ソンドハイムの音楽がいい。ソンドハイムの音楽って難解で私みたいな素人にはなかなかミュージカルとしては厳しいんでねえの、ということが多々あるのだけど、このスウィーニー・トッドに置いては、もちろんソンドハイムの難解な部分が全面に出ている曲も多いけれど、その一方で割りとロマンティックな旋律のキャッチーな曲もいくつかあって、面白くって、堪能。

総合すると、やっぱり舞台で見たかったかも、ってところに落ち着いた。
舞台くらいの距離感があれば、グロも刺殺シーンも平気だと思うし。ジョニー・デップのまるでセリフを話すかのような情感溢れる歌いまわしも、ある意味、技術に頼りすぎるミュージカル役者には見習ってほしい部分は多いにあるんだけど、それでも、やっぱりソンドハイムの旋律をちゃんと聴きたいなという気分にはなったので、やはり舞台かな、と。
ヘレナ・ボナム・カーターのミセス・ラベットは特に大竹しのぶの演じる姿が想像できたから(というか、二人とも見た目も入れて似たタイプの役者だと思う)余計、無理してでも去年舞台行っときゃ良かった、と後悔。

そんな中で、断然映画が良かったという存在が、アンソニー役のジェイミー・キャンベル・バウアー!

来たよ、久々の本物のイギリス産美少年(19歳なので)!!

久々に映画を見ながら、その美貌に終始ドキドキ。

まあ、西洋人、特にイギリス人なので、この美しさをいつまで保てるかは分からないからこその、この一瞬の輝き。初映画のフレッシュ感。
ものすごーい、後味のわるーい終幕なんだけど、この彼と女の子がきっと幸せになったはずだと信じたくなったからこそ、この映画は救われた気さえしたりも。

堪能しました、心の底から。
姿の美しい人間はそれだけでやっぱり価値があると思います。

ということで、ヘアスプレーみたいに映画のサウンドトラックを買うことは絶対ないけど(というか、舞台のCD欲しい)、間違いなくDVDは買います、美少年マニアとして、誇りを持って(笑)

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