こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

NAKED BOYS SINGING!

このおバカなタイトルを知ったのは、ロンドンに滞在中のことだった。
メトロというフリーペーパーの演劇レビューでこの作品のことを知ったとき、おバカそうな内容にB級好き心をそそられたのだけど、如何せん、フリンジで公演期間も短く、私自身がまだフリンジに馴染みのなかった時期だったので、結局行けず、残念な思いをしていたのだ。
なので、NY在住の友人から、これが手に入ったから送ろうか、と言って頂いたときには、お願いします、と即答。紆余曲折あってやっと見ることが出来たのだけど、内容は、というと期待を裏切らないというか、ある意味、期待以上というか、現物を見ると、そこまで期待してなかったのになーと言うか、なんというかw

一言でいって、ゲイのNAKEDなBOYSがSINGINGするショーである。
本当、これ以上でもこれ以下でもない。興味のある方はコチラをどうぞ。
ミュージカル好き、には、連続したストーリーがない本当にショーだから、苦手という人もいるかもしれない。10人のゲイボーイたちが、時にコミカルに時にシニカルに時にシリアスに、次々と人生のワンシーンを見せていく、完全エンターテインメント・ショーだ。そして、ミュージカルとかショーとか言う前に全裸の男性がダメ、という人もいるだろうし、逆にそちらに興味津々という人もいるだろうし、そうなると、なんとも純粋にショーとしてのレビューがしにくいかなあというのが正直な感想だったりする。

ただ、個人的には、1人のピアノマンと、10人の優れた歌唱力を持ったショーマンたちが、歌い上げる内容はおバカだけど、とってもステキなメロディラインの曲を美しく歌い上げてくれるという、とてもステキなショーだったと思う。本当に曲が純粋ミュージカル調から、クラシックな合唱、ディスコ調まで多岐に渡り、その全てが美しく素晴らしいのだ。だから、NAKED BOYSに抵抗がない、という人には是非一度試してもらいたいと思う。NAKEDだけど、エロは皆無なのでその辺はご安心をww 単にNAKEDなだけです。でも、まあ正直、全裸の男性にそれほど興味もないので、ショーの意味はなくなるかもだけど、全裸でなくても良かったかなあという気はする。寧ろ折角の名曲たちを、全裸、という特殊性でその音楽性を判断してもらえないのは残念かなあと。歌詞はほぼ無意味なんですけどね。

その中でも「window to window」は歌詞も良く、印象的なシーンに仕上がっていて、とても心に残った。都会の狭間、アパートの窓越しに見える相手をお互いに思う、という片思いの切なさや微かな喜びが伝わる。ショーの初めの方で、片方が窓の向こうの相手に向って切々と歌い上げ、何シーンかおバカな娯楽シーンを経た後に、フィナーレ近くで、もう一方の方がこの曲をリプライズで歌い、お互いに気持ちを打ち明けあって、パ・ド・ドゥになるところなんて、本当に美しかった。多分、服を着ていればもっと(笑)

ということで、鍛え抜かれた男性の全裸はそれはそれとして美しいかもしれないけれど、個人的には服を着た方が人間は何割増しか格好よく見えるなという感想もあり^^;それでも意外に多いに楽しめた一本だった。

にほんブログ村 演劇ブログ ミュージカルへ