サンドラの霧矢さんとジョセフィーンの赤根奈那さんこと夢咲ねねちゃんの共演だったので、どうしても「大坂侍」のことを思い出します。
とは言え、当時、私は宝塚ブランク中。
実際の舞台は見ておらず、スカイステージで見たのみ、なのですが、これがなんとも好きで、なぜか何度も見直してしまうのです。
因みに原作は司馬遼太郎。
新装版 大坂侍 (講談社文庫) | |
司馬 遼太郎 | |
講談社 |
全く読んでいないので、これが原作に沿っているのか全然違うのかは不明です
なので、司馬遼太郎がこういう世界を作り上げたのかどうかは分からないけれど、舞台の「大坂侍」は実に私の感覚にヒットする作品だったのです。
舞台作品としては、とてもじゃないけれど「いい作品」ではありません。
けれど、とりあえず面白く楽しい。
これ大事です。
そして、役者がいい。
これもとても大事です。
でも、個人的に一番の見所は、この作品の価値観が、見事に私と一緒だったところでした。
因みに主人公ではなくて、彼らを取り巻く方。
実はこの作品を見る前に、この作品について、愛読していたブログで先に読んでいて、
(あらすじとかも実に簡潔に書かれているのでぜひどうぞ↓↓↓)
http://koala.diarynote.jp/200706041347320000/
そっか、「けったいな人々」に取り囲まれた主人公に感情移入して見る話かー、と思っていたのです。
それが見始めたら、なんと「けったいな人々」の考え方とか価値観とか、そういうものが、もう私には限りなく正しくて、納得で、だから、主人公の行動に対して、周りの人々が取る言動がまんま私の気持ち。
ブログの筆者さんは
主人公の又七ひとりがわたしたちと同じ価値観を持っている。彼のみを「まとも」だと思うのは、観客であるわたしたちの目線に合わせてあるから。
と書いてらしたけれど、私の目線は思いっきり「けったいな人々」側
「徳川幕府」へのご恩返し、も「同等価値の金銭」で支払えるならば、それまでのもの。時代は変わりつつある。それは主人公もみんなも知っている。旧時代の受けたかどうかも分からない「ご恩返し」という理屈がよくわからない。新しい時代をできるだけ「幸せ」に「楽しく」生きていくか、それが一番大事。
けれど、主人公は真面目で融通が聞かなくて不器用で、そこがまどろっこしくて、「だから、惚れる」というのが納得。
私って大阪人、なんだなあ。
とこれほどまでに痛感することはなかったです
またね、主人公又七が「東京の侍と大阪人」とのハーフ、というのが、どうして又七だけそうなんだろう、という疑問を一掃してくれて、「まあ、半分関東の人やもんねえ」と納得できるのも面白かったです、個人的に(笑)
特に、又七が、父親の遺言に心動かされ、東京に行って潰れかけの徳川幕府を守るための隊員になる、ほんまもんの侍になるんや、と言ったとき、心の底から、
あほか!
明治維新の足音が聞こえてるそんな世の中で、
「ほんまもんの侍」に何の意味あんねん!
と画面に向かって思わず叫んだのだけど(←イタイ)、そうしたら、主人公を追いかけ回す女のコお勢ちゃんが、本当に又七に向かって「あほ!」と言ってくれて、もうスッキリ(笑)
けれど、そこで又七が、
商人は賢うないとあかんけど、侍はときにあほやないと出来へんのや。
と言って、そうか、そうなのか、と今更やっと、私の中でずっとずっと胡散臭かった「侍」という生き方が納得できたのも大きな発見でした。
ただ、それを「正しい」とする風潮と価値観はやはり苦手。
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だから、「侍の使命、志」も「役者にとっての舞台」「女にとっての恋(←まあこれはこれでどうかと思うんですが)」とイコールで結んでくれる、そういう「大坂侍」の価値観と世界観は、実に見ていて心地よかったです。
そして、この作品の霧矢さんが素晴らしいのはもちろんのこと、夢咲ねねちゃんがいい!生で見ていないのに、マイ夢咲ねねナンバーワンです!
ねねちゃんのお勢ちゃんが果てしなくかわいいんです
そして、果てしなく「正義」です。
いや、恋愛の仕方は「正義」じゃない。でも、ねねちゃんが又七にすること、はあの世の中では私にとって「正義」。
今更、ご恩だとか義理だとか、侍の志だとか、訳の分からないもののために死んでいこうとする又七に、例えば「龍馬伝」の武市先生の妻や、近藤長二郎の妻みたいに「あの方は侍として死んで行ったのですね。私は立派な侍の妻で幸せでした」とか、そんなことは言わない。
何せ、ねねちゃんは若い。
ねねちゃんは可愛い。
そして、ねねちゃんはとんでもなくお金持ちのお嬢さん。
しかも、「雪之丞変化」の浪路みたいに、恋の病でやつれて死ぬ、なんてこともない、心も身体もひたすら丈夫な女のコ。
又七に自分の気持ちを見せつけようと投身自殺を図るシーンあるけれど、召使い2人連れて、霧矢くんの目の前で飛び込んだりと、本当に死ぬつもりなんて毛頭ない(笑)
ていうか、自分が死ぬ、なんてことを想像もしたことないんじゃないと思います。
だから、やっぱり又七がどんなに「侍としての死」を望んでも、自分がそれがイヤだから、パワーとお金で押し切り続けるそのたくましさ。
もう、ねねちゃんが、可愛くて、眩しすぎる!
このコ、好き!
ということで(←一旦、深呼吸しまして、あがりすぎたテンションをさげました笑)
万が一、ビッグ・フィッシュでねねちゃんに興味もたれた方がいらっしゃったら、ぜひ見ていただきたい作品です!
ただ、セルDVDが廃盤という哀しさ。
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(廃盤なのでアマゾンさんでもたっかい!) えーと、スカイステージ、加入しかないんですかねえ。 |