こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

エジンバラ、夏の思い出。

8月6日よりエジンバラ・フリンジ・フェスティバルが今年もはじまっている。
http://www.edfringe.com/
世界最大のパフォーミングアートのフェスティバル。
エジンバラの街全体が1カ月間まさしくお祭り仕様に変化する。
市民ホールや街中の至るホールというホールは劇場に姿を変える。
それでも足りなくて、ギャラリー、教会その他開いてる空間は全て劇場になってるんじゃないかという数。
得体のしれないものすごいエネルギーが街全体を包んでいる気がした。

実際の開始日より少し前に初日は開ける。
エジンバラに到着した日から初日までが実は一番の怒涛の日々。
住処の整理整頓からはじまって、住居系のあらゆるトラブルの対処(水が出ない、湯が出ない、ベッドが足りない等々)、食料品の買い出し、持ってこれなかった小道具の手配、テクニカルリハーサル、ドレスリハーサル、プレスリリース。
さらに人間関係の軋轢。あれだけ人種が混じると本当に色々ある。
今思い返しても大変だったなあというか、あの頃の私は若かったのだなあ、と思う。
でもそれ以上に街の祭りの空気が麻薬のように色んな感覚を麻痺させていたのかもしれない。

それにしても8月のエジンバラの早朝はきれいだった。
宿泊箇所から最初の劇場に向かう途中に急にエジンバラ城が現れるのだ。
街の中央の小高いところにそびえ立つエジンバラ城。
街はまだ起き始めたところで静かな空気。
8月とは言っても、早朝の空気は冷たく肌にあたる。
朝靄が裾野を包んで、その向こうに城が浮かぶ。
古くて華やかなところや煌びやかなところがまるでない、頑強で質素な石の城。
だから、余計にその存在に重みがあって、
なんていうか本当に子供の頃読んだおとぎ話の中にいるようだった。
このまま城に向かって坂を登ったら、どこか違う場所に迷い込むんじゃないだろうか。
そんな気がした。

一方で夜は祭りだから眠らない。
でも朝9時から公演がスタートするところもある。
その一瞬の静寂。
そういうところに何かは潜んでいて、それが街の魅力なのかもしれないと思った。